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低予算で小型スピーカー用パワーアンプを作る (TA8207KL) 前編

この記事は8年ほど前に投稿されました。内容が古くなっている可能性がありますので更新日時にご注意ください。

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今回は幅10cm前後の小型卓上スピーカーを対象とした小型のパワーアンプを作ってみたいと思います。
前回作成したアンプはマイコン制御を取り入れた複雑なものでしたが、これは「学んだArduinoを使って何かを作る」という事を目的としていたので予算1万円程度を目標につくりましたが。更にシンプルにし、予算を半額の5000円と設定して作っていきたいと思います。

今回の条件

  1. 安価であること(5000円位まで)
  2. 12VのACアダプタ等標準的な電源を使用できる事
  3. 音質は気にせず。ただしノイズは少なく。
  4. 5W前後の出力が確保できること
  5. ステレオ1IC構成で行う
  6. 可能なかぎり小型であること

今回5000円が予算ですが、内部の基盤だけで1000円しません。
よって外に出る部品に4000円以上使用することが出来ます。
しかし、実際のところアナログでマイコンがあるわけでもないので。基本的に総額3000円程度見ておけば良いと思います。

アンプICの選定

今回使用するICは予算の関係上あまり高いICは使いません。

前回のICをそのまま使用しても予算は達成すると思われますが。せっかくなので別のICを使います。

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今回は元TOSHIBA製のICでセカンドソース品が入手可能なTA8207KLを使用します。
このICは12V時に4.6Wの出力が得られるとのことなので、少々予定よりは少ないですがこちらのICを採用しました。部品もコンデンサが全部で13個と非常に少ない部品で構成できますので安価に製作することが出来ます。

ICの価格は1つ130円と前回のICの4分の1よりちょっと高いくらい。

周辺部品

今回はメーカーリファレンス回路秋月にあるキットの回路を参考にしました。

データシートにはカップリングコンデンサ不要とあるのですが、追加しました。
また、秋月の回路に入力抵抗が書かれていたのでこちらも取り付けました。(両方取り付けないとノイズが大きかったり再生機器が誤動作したため)

コスト削減を第一目標としましたが、コンデンサはあまり値段が変わらないのでオーディオグレードを使用。

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入力カップリングコンデンサは最初いらないと思っていたので買っていなかったので、この写真には入っていません。買うならこのICは入力に30kΩの抵抗が入っているようなので、1μFの電解コンデンサで5Hzのカットオフ周波数となります。あまり部品の種類を多くしたくない場合は0.1μFのフィルムコンデンサを使うのも手です。これの場合はカットオフ周波数は54Hz程度となります。
今回は手持ちの0.1μFのセラミックコンデンサがあったのでこちらを利用しました。

最初ゲイン最大で作ろうとしていましたが、試作段階で少々音割れ気味だったので手持ちの75Ω抵抗を2つ使い150Ωの合成抵抗を入れました。新たに作る場合は150Ωの抵抗1本でよいでしょう。

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手持ち品を使用した入力側セラミックコンデンサと100kΩの抵抗

回路図

今回は手書きの回路図を載せます。
殆ど秋月キットのコピー状態になっています。共通化できる部分は共通にしています。

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このICにはシャットダウン入力が付いており、メーカー仕様書によると常時12番ピンに電源電圧をかけ、3番ピンにてアンプの電源を制御する方法が推奨されていました。3番ピンとGNDの間に100μFのコンデンサを入れることでポップノイズが抑制できるとのことで入れました。

部品リスト

部品 型番 購入店 単価 個数
オーディオ用電解コンデンサ 1000uF UFG1E102MHM 秋月電子 90 3 270
オーディオ用電解コンデンサ 100uF UFG1E101MPM 秋月電子 20 3 60
オーディオ用電解コンデンサ 47uF UFG1E470MEM 秋月電子 20 3 60
ステレオ オーディオアンプIC TA8207KL 秋月電子 130 1 130
抵抗 100kΩ MFU100F100KRB 秋月電子 3 2 6
抵抗 150Ω MFU100F150RB 秋月電子 3 2 6
フィルムコンデンサ 0.1uF 50F2D104J 秋月電子 10 4 40
放熱器 46x25x17mm 17PB046-01025 秋月電子 60 1 60
合計 632

仮組みによるテスト風景

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この段階でゲインが高すぎると思われたので手持ちの75Ωを2本直列につなぎ、抵抗でゲイン調整しました。

製作

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今回使用したのは何時も使っている紙タイプの基板です。
値段はそんなに変わらないので前回使ったガラスタイプでも良いのですが。今回はこちらが余っていたのでこれを使いました。

 

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寸法計算をミスってヒートシンクがギリギリ合わなかったため反対側に穴を開けました。

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このように取り付ける予定です。これでも十分放熱できますが、心配ならグリスなど塗ってください。

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本来なら背の低い部品からつけていくべきですが、今回はトライアンドエラーでいきたいため先にICを取り付けました。

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ゲイン調整用の抵抗をIC裏側に取り付けました。こっち側にヒートシンクが来るので。

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ゲイン調整用のコンデンサ、リップル除去用コンデンサ、ポップノイズ除去用コンデンサを取り付けました。

基板完成後にカップリングコンデンサと抵抗が必要だということがわかったので後で取り付けましたが本来はここでつけておくと良いでしょう。

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出力側のコンデンサ類を取り付けます。

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出力カップリングコンデンサと電源用ノイズ除去コンデンサを取り付けて完成…

 

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!?

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修正。

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裏面はこんな感じ。若干GNDループ傾向になっている気がしなくもない。

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動作テスト中。ここで色々と問題が発生したのでコンデンサと抵抗を追加しました。

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コンデンサと抵抗を追加。

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配線を取り付け。
当初入力側にシールド線を使う予定でしたが、買ったケーブルが太かったので今回は見送りました。
だけどできればシールド線を使ったほうがいいですね。

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完成基板の動作確認をして完成。

これに使うケースやコネクタ類を注文したので次回は完成させます。

総閲覧数:750 PV

“低予算で小型スピーカー用パワーアンプを作る (TA8207KL) 前編” への3件のフィードバック

  1. 湯浅 より:

    こんにちは
    途中で抵抗とコンデンサを追加したと書いていますが、最終的にどんな回路になりましたか?
    僕も作ってみようと思うので、可能でしたら回路図と部品の詳細(抵抗値やコンデンサの容量など)をメールで送って欲しいです。
    よろしくお願いします。

    • Sakura87 より:

      コメントありがとうございます。

      追加のコンデンサや抵抗があるというのは、制作中の試行錯誤の話で、記事に出ている部品表や回路図は「回路変更後」のものになっています。
      具体的には回路の6・7番ピンから出ている100kΩの抵抗と、0.1μFのコンデンサが該当のものになります。

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