作成日時:2018年11月09日 00時04分30秒
更新日時:2019年12月16日 19時42分42秒
この記事は6年ほど前に投稿されました。内容が古くなっている可能性がありますので更新日時にご注意ください。
かれこれ7年以上使ってきたEOS 7Dがくたびれてきて、ズッコケて傷が入ったのと、フルサイズ機が買えるほどのお金がたまったこと。
さらに丁度よくキヤノン渾身のフルサイズミラーレスが発売になったことで、とうとうメインカメラを買い換えることにしました。
購入動機
前述のとおりですが、カメラ購入代金が30万円近くたまっており、もう少し頑張れば5D4が買えるかな。と思って貯金を継続していましたが。(途中車検代に持っていかれたりしましたのでそれがなかったらレンズ捨ててニコンフラグシップやα、1DXや486DXが変えた気がします(CPU混ざっとるやん
そんな中、キヤノンがフルサイズミラーレスを発表してきたので、買いました。
機種選択
ほぼEOS Rを買うということを決めていたのですが。一応ほかのカメラも購入候補として挙げておりました。
そのカメラというのが以下のようになります。
- EOS R+マウントアダプタ(25万円)
第一候補。 - EOS 5D MarkIV(ボディのみ 25万円)
最初の目標。ヨドバシだと36万なので予算オーバー。 - EOS 6D MarkII + 24-105L
同じ予算でレンズも買おう!プラン - EOS 7D MarkII +24-105L
現在使用しているカメラの後継機にしてレンズを買おうプラン
という4つから考えておりまして。発売日に実機を触りに行きました。
結果、5Dはそもそも高すぎ。6D2はこれを買うならEOS Rでよいかなと思った。
航空祭やレースでの撮影を考えると7D2が最適だが、これは別に今買わなくても買えるなって。
あとそろそろMarkIIIが出そうで、もし買ってすぐに出たら泡吹いて倒れそうだったのでやめました。
ということで、日本シリーズがホークスも優勝しそうだし。奮発してEOS Rを買った。
(11月2日に買った。次の日に優勝した。おめでとうございます!)
それ以外の動機としては、マウントアダプタを使えば新型のRFレンズのほか、フルサイズ用のEFレンズはもちろん。EF-Sレンズも使えるというのが大きい。ということが挙げられます。
EF-Sレンズは7D2はともかく、5D、6Dにしたら使えないからね。
というわけで7年ぶりの新カメラ。どこまで進化しているのかワクワクしてきました。
RFレンズについて
EOS RはEFマウントに代わって新開発のRFマウントのレンズが使用できますが。出たばかりでまだ高画質レンズしかなく、ちょっと今回は予算オーバーなのと。マウントアダプタを装着すれば現在持っているすべてのレンズが使用できるということで。今回はマウントアダプタを買ってレンズは買いませんでした。今後RFレンズが多く発売されることを考えて、まずはお買い得パンケーキでも出るのを待とうと思います。そのあと70‐300が出たら買おうかと。
商品写真
購入したもの
- キヤノン ミラーレス一眼 EOS R 本体
256,500円 ヨドバシカメラにて購入 - キヤノン マウントアダプタ マウントアダプター EF-EOS R
13,770円 同上 - エクストリーム プロ SDXC UHS-I カード(256GB)
27,200円 同上 SDSDXXG-256G-JNJIP - 計 297,470円
箱がフルサイズのカメラが入っているとは思えないほど軽く。一瞬本当に中身は言っているのか不安になりました。
箱の中身。
左上から本体、ストラップ、取扱説明書
右上左が充電器、右がバッテリーパック、その下が保証書(と、同時購入したSDカード)
最後がUSB-C同士のケーブルと謎の物体。
購入したマウントアダプタ。
基本的にはカメラ側で操作する人で、フィルターもそんなに使わない人だし、コントロールリング付きだと3万円するので、まぁそこまではいらないだろうと。単純にマウントを変換する一番安いタイプを買いました。
マウントアダプタの内容物。保証書と取説。あとポーチの中にアダプタが入ってます。
同時購入したSDカード。選択した理由はヨドバシの通販画面で下にあったから。
容量は128GBでも十分だろうが。4k動画の撮影と、6000円程度しか変わらなかったのでどうせなら大きいほうが。ということで256GBにしました。
個人的にSanDiskははずれを引きやすいメーカーなので避けていましたが。このシリーズなら大丈夫だろうということで。
カメラ本体付属物の詳細
カメラ本体とストラップ。
フルサイズのセンサーが搭載されている割には小型で軽量なので。かなりコンパクトですね。
ストラップはいつのもやつです。(カメラ本体の詳細は後で書きます。
USBケーブルと謎の物体。
USBケーブルは両方Cのタイプ。スマホがCならつないでデータ転送とかできるみたいです。
謎の物体は「ケーブルプロテクター」というものらしく、ケーブルのすっぽ抜けや端子の破損を防いでくれるみたいですね。個人的にカメラ側のポートは使う予定がないので出番はないでしょう。
バッテリー充電器と電池。電池は同じLP-E6系ですが、容量が少し大きいLP-E6Nが付属していました。
容量が大きいだけで系統は同じなので。互換性はあるようです。
左が新しい充電器、右が今まで使っていた充電器。
経年劣化によるものなのかマイナーチェンジがあったのか。少し雰囲気が違いますね。
型式は同じ。出力が変わっているのでやはり何らかのマイナーチェンジがあった模様。
右がN。雰囲気が少し違う。
こうしてみると65mAh増えているようです。
マニュアルなんかは割愛します。
マウントアダプタ詳細
マウントアダプタ。一番安い何もないタイプなので特に何の変哲もない筒ですね。
大きさはキヤノンのパンケーキレンズのEF40㎜とかEF-S24㎜と同じくらいです。
RFマウント側。特に何もない。
EFマウント側。EF-S、EFレンズ両対応なので白と赤のマークがあります。
もともとAPS機を使っていたので特に新鮮味はないですね。
マウントアダプタ側のレンズリリース用のボタンはここに。
撮影可能範囲についてはEFレンズを使った場合はRFレンズと同様にフルサイズ領域すべてを使って撮影することができます。
EF-Sの場合はAPS-C相当の領域に自動的にクロップされるようです。
項目 | RF/EFレンズ | EF-Sレンズ | EOS 7D |
領域 | フルサイズ | APS-C相当 | APS-C |
換算焦点距離(300mm) | 300mm | 480mm | 480mm |
有効画素数 | 3010万画素 | 1160万画素 | 1800万画素 |
画像サイズ | 6720×4480 | 4176×2784 | 5184×3456 |
7D比での写る範囲 | 広がる | 変わらない | ― |
7D比で同じレンズでの被写体の大きさ | 小さく映る | 変わらない | ― |
ということで、7D比で考えるとEF-Sレンズで画素数が減少、撮影範囲は変わらないということになります。
今時スマホでも4k対応モデルが出ている中、画素数が落ちるのはデメリットですが。4000px以上あり、4k(3840x2160px)解像度はカバーしていますし。画素数が大きいということはそれだけノイズ耐性がいいということなので。必ずしもデメリットではありません。
もしAPSと同等の画角で撮影したいなら1.6倍クロップも可能です。逆にEF-Sレンズの場合はクロップを解除することができません。
社外のAPS機向けレンズの場合、フルサイズレンズと同様にクロップなしで撮影することもできますが、下の写真のようにケラレが発生するので結局クロップすることになります。
タムロン SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II 50mm端で撮影
カメラ本体の詳細
カメラ本体。
フルサイズイメージセンサー搭載のミラーレス機ということで非常にコンパクトで重さも580gしかないため。かなり小型で取り回しが良いカメラとなっています。(カード・バッテリー込みで660g)
これにカメラマウントが110gで、例えばEF-S 24mm F2.8 STMレンズを装着した場合。
660+110+125gで計895gと非常に軽量なシステムを構成できます。参考までに、同レンズで7Dが945gになります。なんと50gも軽量なんですよ。これ以上軽くしようとしたらKiss系を買うしかないです。
裏面。まぁ特に何の変哲もないカメラのデザインですね。
上のファインダーは390万画素有機EL搭載です。その下の小窓はファインダー切り替え用の赤外線センサーです。
下の液晶はバリアングル液晶で、自撮り(しないけど)や高いところ、低いところでの撮影に効果を発揮します。例えばぽってでも狙撃スタイルで撮影しなくてもよくなります。腰痛持ちのお父さん、お母さんでも無理のない姿勢で撮影することがたぶんできます。
液晶はタッチパネルになっていてタッチによる操作が可能です。
裏返した状態。通常はこの状態で使用するのでしょう。
ファインダーがメインの場合は折りたたんでおいてもいいです。
上部はこんな感じ。左から電源スイッチ、アクセサリーシュー、情報表示液晶、照明ボタン(ちょい押しで情報切り替え)
赤い丸がついているボタンが動画撮影用のボタン、ロックボタン、右側下のボタンがモード切替ボタンで、周囲のギザギザがサブの電子ダイアル。こちらで露出制御や絞り値の設定ができます。左側上のダイアルがメインダイアル。その上の小さいボタンがマルチファンクションボタン。写ってないですがその上にシャッターボタンがあります。
裏。三脚穴とBG用の接点、電池ボックスがあります。まぁ普通のEOS
右側にはSDカードスロットがあります。
SDカードスロットはシングルスロットで。この性能ならデュアルが欲しいところですが。今後上位機種が登場する場合は搭載されるのでしょうか。
反対側はインターフェイス端子が密集しています。
上からリモートシャッター、USB-C端子、マイク端子、HDMI端子、ヘッドフォン端子になります。
HDMI端子はミニタイプのようです。
背面の操作系はほかのEOSとあまりかわらず。ボタンのボリューム的には入門機レベルですが、操作系がおおむね右下のボタンとタッチパネルに集約されているので、これはこれで使いやすいです。
前面も特に目新しいものはなし。7Dとの比較だとマイクがモノからステレオになりました。
シャッター幕。シャッター幕は電源オフで閉じるようになっているので、レンズ交換時等のカメラ内に埃やごみの侵入を抑えるようになっています。
電池挿入部。
電源ボタン側アップ
シャッターボタン側アップ
EOS RにマウントアダプタとEF 70-300mm F4-5.6 IS II USMを装着した感じ。
それじゃあわからんだろうから。
EOS 7Dにタムロンの70‐300を装着した感じ。7DもAPS機なのでそれなりに小型だが、それよりもさらに一回り小さい。
このサイズもさることながら、この構成(EOS R+マウントアダプタ+EF 70-300mm F4-5.6 IS II USM)で1480gしかないので、かなり軽量なシステムになりましたね。
EF-S 24mmを装着した感じ。かなり小さい。
メイン液晶の表示
順不同ですがメイン液晶の表示はこんな感じです。
電子ファインダーのほうもおおむね同じ情報が表示可能です。
設定項目一覧のみの画面。この画面はカメラの映像は表示されませんのでファインダーと併用する形になると思います。
ヒストグラムが表示されたバージョン
最低限の情報が表示されたバージョン
詳細な表示のバージョン。
EVFはこんな感じ。7Dで無理やり撮影したのであれだけど、上記のモード(1番目は選択不可)の下に基本的な情報が常に表示されています。
ところで、このモードはすべて設定でカスタマイズ可能みたいですね。
SDカードのベンチマーク
昔は速度と耐久性といえばCFカードでしたが。最近はSDカードも早いですね。
まぁコンパクトフラッシュなら爆破にも耐えられるのでそれに比べると華奢ですがね。
作例
前置きが長くなりましたが、作例をいくつか載せます。
以下の写真は一部駆動系の設定は変更していますが。基本的にJPEG撮って出しで撮影しています。
ISO感度比較
まずPモードでこの絵が取れる条件でシャッタースピードを1/640 F7.1でISOを変えて撮影したものが以下です。
すべてJPEG撮って出しなのでダウンロードするなりクリックするなりして拡大してまじまじと見てください。
使用したレンズはEF-S 24㎜ F2.8 STMレンズなので1.6倍クロップが入っています。
ISO100 まぁ全く見えませんね。
光沢部分はうっすらと見えるISO800
同じ画像をLightroomでめいっぱい露出をあげてみました。何とか撮れていますね。
ISO6400。EOS 7Dならこれが常用ISO感度限界。
これがISO25600。7Dの最大感度の倍で、7Dだと使用に耐えませんでしたが、EOS Rなら何とか使えそうですね。
EOS Rの常用限界とうたわれるISO40000。さすがにノイジーですが、これくらいならまだいけますね!
同じ画像をRAWでLightroomを使ってノイズリダクションを切ってみました。案外きれいですね。
写真を作品として使う場合、やはりISO4桁台が限度でしょうが、スナップや記録写真なら十分ですね。
拡張ISO感度のISO 51200。ISO100では真っ黒だったのがもはや昼のよう。これなら画質をあきらめれば真夜中でも手持ちできますね。
最大ISO値のISO102400。もはや白飛びしてますな。
生き物の撮影
300mm端。嘴の光沢やくちばしから滴る水滴、瞳の中まで非常に高い描写力で描写されています。
同じ写真をLightroomで現像したもの。これを見ると撮って出しJPEGもなかなかなので。それこそ旅行の思い出程度の現像ソフトを通しても素通りするような写真であれば撮って出しで十分かもしれません。ミラーレスの最大の利点としてはほぼ画面で見たままイコールの絵が撮れるというところがありますので。特にスナップ写真程度や静物の撮影であれば態々RAWで撮影して現像して…を行う必要も無いように思えます。
近所の山にある公園に行ってきました。時間が遅かったのでだいぶ日陰になっていたのでちょっと暗めですが。
↑の画像からLightroomで現像しています。といってもレンズ補正を入れたくらいしかしていないです。
風景と人工物
70-300で撮影した風景。焦点距離は75mm。なかなかキレイに撮れています。よく見たら中央のアンテナ塔上部の構造体も写っていますね。
自由作例移動のお知らせ(2018/11/25)
自由作例は長くなりましたので別のページに移動しました。
※ここで紹介した写真も含めています。
4k動画(2018/11/18 追加)
EOS Rで4kサイズ、29.97fps IPBで撮影した動画。
ただし、オリジナルは120Mbpsで1GB近くあるため、AviUtil+NVEncのH.264 ビットレート指定 高画質設定で再エンコードしています。
この動画でもかなり高画質なのは見て取れますが。オリジナルは更に画質が良いです。20万円程度(周辺機器を入れるとマウントアダプタ2万、レンズが3万、SDカード3万の30万円くらい)でアマチュアで本格的な4k作品が撮りたいなら良い選択肢では無いでしょうか。
また、4k動画はどうせ4k相当の領域にクロップされてしまうので、まだ高価なモデルしかないRFレンズや、EFレンズを買う必要も無く、EF-Sレンズで十分通用します。ただし、EF動作音がうるさいので出来ればSTMやUSM他、各社の同等性能のAFモーターを使用したレンズの使用をお勧めします。4k動画になると、フルHD撮影時に比べて、ほんの少しだけAFの合焦が遅い印象にありますが、十分実用範囲です。
120Mbpsだと15MB/sなのでUHS-3やV30クラスギリギリののSDカードで十分いけますが、ALL-Iのモードで撮影すると480Mbps以上あるので、60MB/s程度で、ある程度値の張るSDカードが必要になってくるでしょう。そもそも4kを視野に入れるならIPBモードでも1分1GB以上なので32GBで30分程度しか撮れない計算になるため、どうしても高価なSDカードを買わざるを得ないと思います。
とはいえ今回同時に買った3万円クラスのSDカードでなんとかなるので、たまに動画を撮る程度ならアマチュアでも十分対応できるレベルでしょう。
電子ファインダーの感想
電子ファインダーは有機ELで400万画素近くあるため。非常にクリアで応答速度も速いため残像もほとんどない。
まだ速度が要求される場面に遭遇していないため、実際のところどこまで使えるものなのかは不明だが。上にあげている動物の写真を撮るうえで不満は特になかった。生身の被写体を撮るうえでは特に問題になるようなことはないと思う。野生の早い被写体はまだ試していないが。今度航空祭があるのでそのあと評価を追加しようと思う。
それよりもこの電子ファインダーは眼鏡をかけなくてもある程度見える。レフレックス機だとEVFと比べてスクリーンへの距離が遠いからなのか、私の視力ではあまりうまくピントの確認が出来ませんでしたが、電子ファインダーだと視力0.01の自分でも調整ダイアルめいっぱい調整すれば気持ちボケる程度で十分使用に耐えました。これはうれしい。
撮影速度の感想
シャッタータイムラグがいかほどかはわからないが、上の写真を撮るうえで困ることはなかった。
AF合焦も速いし、何より動画などのコンティニュアンスAF・コントラストAFが実用に耐えうるレベルなのがすごい。7DだとどうしてもコントラストAFが遅く、STMレンズでやっと何とかなるレベルで、被写体追従なんて夢のまた夢だったのだけど。
位相差AF様様である。
流し撮り等について(2018/12/24更新)
流し撮りについては、設定画面で「撮影画像の確認時間」の設定を「切」に設定することで、レスポンスが劇的に改善し、ある程度出来るようになりました。個人的にはレフ機と遜色ないレベルにはなったと思います。フォーカスもよく合っているので歩留まりもそれなりに改善し、自分の腕のレベルであれば問題ないレベルになりました。それでもやはり、動きの速い物はまだまだレフ機の方が優位なのは変わらなさそうです。(他社はどうか知りませんが)
※以下は旧内容。
水族館に行ってきたのだけど。流し撮りは案外難しく、シャッターを切ったあとの状況が解らないので。例えば戦闘機やレーシングカーのような導線が予測できるような物ならある程度慣れでどうにかなりそうだけど、動物みたいな動きの予測が出来ない被写体の場合は、何らかの工夫が必要そう。
とはいえ歩留まりが悪くなるだけで撮れないことはなさそうな感じ。シャッタースピードを優先で画質をある程度犠牲にすることでどうにかなりそう。(この剣についてはちょうど来週航空祭が近所であるのでそのときにまた追記します。2018/11/25追加しました。)
航空機などのの撮影について(2018/11/25追記、2019/12/16編集)
本日行われた築城基地航空祭にていくつか写真を撮ってきました。
動かない被写体については特に問題なく撮影できました。
特に航空祭は最前列に航空ファンが陣取って居ますが。そんな場合での撮影にバリアングル液晶はなかなか役に立ちます。
飛んでいる飛行機の撮影は、実際の所思ったよりイケるというのが正直な感想で。確かに7Dよりは撮りにくいというのが正直な所ですが。なれれば案外EOS Rでも航空祭の撮影は出来そうな感じです。とはいえ、やはりシャッタースピードを遅くして背景を流す「流し撮り」は難しいでしょう。日本には2億4000万の瞳があるので、片目でフレームを確認しながら片目を閉じずにそちらで追従する訓練をすれば、なんとか出来ないこともなさそうですが。気合いを入れて流し撮るならやはりミラーレスよりもレフ機に軍配が上がるでしょう。
というのが発売当初の感想でしたが、1年経ってファームウェアが更新され、被写体追従もそれなりに精度が上がってきました。
こちらはエリア選択AFで撮影。
2,019年の築城基地航空祭のブルーインパルスですが。非情に正確にピントが合っています。
1年間飛行機を取る機会がなかったので、どのタイミングで修正されたかは不明ですが(恐らく1.4.0)以前航空祭で使用した時よりもピントが狂うことが少なくなりました。
低空を飛んでいて、他の観客の頭が度々遮る場合や、前に障害物がある場合。F-15のようなグレー系塗装色の薄曇り以下のコンディションの場合に迷うこともありますが。
上の写真のようなはっきりとコントラストがある場合はほぼ外れることはありませんでした。ただし、エリアAFだと飛行機雲にピントが合うこともしばしばありましたが、ほとんど無限遠に近い場所なのであまり不都合はありませんでした。
動画を撮影してみましたが、動画がなかなか使える感じですね。AFエリアから外れなければ追従性も高いですし、外れたあとの復帰もなかなか高速なので。航空祭やレース観戦等なら、スチルで7Dや5D系+動画のEOS Rという構成もなかなかアリなのではないでしょうか。
追尾AFについて(2018/12/24追記 2019/12/16編集)
上のような被写体ではEOS Rに搭載されている「追尾AF」がなかなか使えます。最初のAF測距と外れた時に外れの被写体を追尾してしまうと言う微妙なところもありますが(ファームウェア更新であまり発生しなくなりました。)追尾している間は大きく向きが変わったりしなければかなりの追尾精度です。例えるなら、バンブルビーはちょっと難しいかもしれないが、ガンダムならイケそうな感じ。わからんか。
追尾AFで野鳥を撮影してみました。その辺に腐るほど居るスズメとか言う奴ですね。
この構図は手前に草が生えており、案外AFが迷いそうな状況ですが、そうでもなく、見事に追従して見せてくれました。
しかしながら、このような被写体(右側の灰色の鳩)にピントが合うと、道路を追尾AFが走ってしまったり、そう言うお茶目なところがありますので。まだまだ精度の向上が必要なようです。上の写真も色は似たような感じですが、あまりAFポイントがブレることは無かったです。
こちらに関しては1年間のファームウェアアップデートで頻度は低くなりより実用レベルになりました。
ただしまだ100%排除できたわけではないですが。取り消し線を引いて良いくらいにはなりました。
こちらの写真は雲などにピントが移ってしまうことがあったので、一点AFに切り替えました。
このような被写体を中央に捉えて撮影する、被写体の行動が規則的でAFを追いやすいような被写体はどちらかと言えば追尾AFを切って一点AFにした方が成功率は上がります。
もう一つ追尾AFの有効に使えそうな物は、このような被写体が中央でないなど、被写体をずらして撮る事が多い条件で、中央の被写体にフォーカスを合わせ、追尾AFで撮りたい構図にすると、一々AFポイントを移動させずに済むので案外便利でした。「ファインダーで撮る時のタッチAFの代わり」として十分使えます。また、液晶側で撮る時も、タッチAFはAFポイントが変わってしまうので。一々戻さなくてもよくなるという利点もあります。
こちらと
こちらはおよそ1年後に追尾AFで撮影しましたが、ファームウェアのアップデートでよりピントが正確になり追従が外れにくくなりました。
総合評価
キヤノンが初めて出したフルサイズミラーレス初号機で正直不安があったが。さすがに30万円近い値をつけるだけあってしっかりできているし、カスタマイズも豊富で使い勝手もよい。自分自身まだ機能の3分の1も触れられていないと思う。
発売後1週間程度で購入し、なんやかんやしているうちに価格ドットコムなどの最安値は21万円と20万を切りそうな勢いである。この調子で20万円を切れば間違いなく名機となるであろう。
とりあえず駆け足でレビューをしてきたが、自分自身もまだまだいじり倒していないので、これからいろいろと撮影して年末から年明けくらいに再レビューをしたい。その時に追記になるのか新記事になるのかは考え中。
今は買ってよかったと思えるカメラです。
フルサイズで画質もよい。さらに防滴もついていて撮影シーンも広く使える。SDカードは安いしリーダーも豊富で標準搭載のPCも多い。おまけに軽量コンパクトで取り回しも楽。パンケーキレンズなんかをつければ旅行のスナップにももってこい。
あとはEF-Mレンズを除くEFレンズがすべて使えることは最大の評価点だろう。まぁそれを言えばEOS MシリーズはEF-Mも使えるので多少劣るのですが。
しかし、ほめてばっかりもいられない。
ここまで褒めちぎっておいてなんだが「残念な点」もある。
ミラーレスということで覚悟はしていたが思ったよりバッテリーが持たない。1日200~300枚は撮影して電池が50%を切ってしまった。撮影枚数や頻度にもよるだろうが。撮影1日あたり1本を目安に、安心したいなら2本は持っていたほうがよいだろう。
あとはメモリーカードがデュアルではなくシングルである点。ミラーレスとはいえこの価格帯であればせめてSD2枚は同時にさせたほうがよかった。
EF-Mレンズが使えないところも人に追っては欠点とみられるかもしれない。
EFVだから仕方ないだろうが、連写時に映像がコマ送りになるのもちょっと残念。
こちらも最近のファームウェアではあまり感じられなくなり、というか、撮影後プレビューをオフに設定すればほぼ感じられません。
やはり撮影処理をするので一瞬画像が途切れる事はありますが、通常のミラーレスでミラーが動いて画面が見えなくなるのとあまり遜色ないタイミングになりました。
終わりに
とはいえそもそも連写をほとんど使わないいし、困るほどの被写体を撮影するのは年1~2回なので、個人的には十分満足です。
それでは、また作例がたまりましたら更新しますね。(その前に一つネタがあるのでそれを更新すると思います)
そして1年使って(2019/12/16 追記)
1年使ってちょっと更新しました。
1年前はミラーレスに30万も出してやらかしたかなぁと思いましたが、1年間のファームウェアアップデートなどで使い勝手も向上し、かなり良いカメラになったと思います。
これが1年前に出来ていればもう少し評価高かったんだろうなぁと思います。元々フルサイズであるから描写性能はすごく高く、風景写真であれば少なくともアマチュアには十二分な性能でしたが、戦闘機やレーシングカーなどの高速で移動する点Pにも十分な性能を発揮するようになったと思います。
しかし、やっぱりちょっと大きめ・重ためと言うところは拭えませんので。連写性能や動画性能がなく、風景や静物中心であればEOS RPを購入するのも良いと思います。
ところで、未だにマルチファンクションバーは使い方がよくわからない……というか要らないと思いますこれ。
どなたか「こういう使い方が良いよ!」というのがありましたらご教示いただければと思います。
更新履歴
令和元年9月28日(土) コメントで頂いた指摘を参考にレビューを修正。
令和元年12月16日(月) 1年使ったので一部加筆修正
良いレビューでした。
でもちょっと気になったところが…。
> 「レフレックスだとあくまで目がピントを合わせるのは被写体なのに対して、電子ファインダーだとその先のモニタがピント位置」
とありますが、一眼レフでも目がピントを合わせるのは被写体でなくフォーカシングスクリーンです。
レンジファインダー式カメラ等なら、目がピントを合わせるのは被写体なのですが…。
コメントありがとうございます。
> 良いレビューでした。
どういたしまして。
> 一眼レフでも目がピントを合わせるのは被写体でなくフォーカシングスクリーンです。 レンジファインダー式カメラ等なら、目がピントを合わせるのは被写体なのですが…。
そのはずなのですが、今まで使ってきたレフレックス機はどれも裸眼だといまいちピントが合わず、どうしても見ずらかったもので。こちらのEVFだと圧倒的に見やすいんですよね。
なので、目がフォーカシングスクリーンでピントを合わせてないのかと思いまして。もしかすると個人差や、そもそもフォーカシングスクリーンとEVFでスクリーンまでの距離が違うなどがあるのかもしれませんが。私が感じた感想としては記述の通りでした。
とはいえ、ご指摘の通り。曖昧な感想になっているものですので、時間がとれましたら修正したいと思います。
それでは。