作成日時:2023年09月18日 17時16分41秒
皆様ご無沙汰しております。Sakura87です。
とうとう念願の有機ELモニタを買いました。
購入したのはちょっとワケアリの有機ELモニタで先日倒産しましたJOLED社が作っていたデジタルフォトフレームです。
JOLEDのサービスで名画とか配信されていたようですが入力端子があり、フォトフレーム機能もHDMI出力のAndroidTV端末が付いているだけという実質イカした額縁が付いたモニタという商品です。
購入動機
少し前に話題になったJOLEDのglancy(27インチ印刷方式有機EL)を買った。結論から言えば余裕がある人は今すぐ買った方がいい。AmazonでもYahooショッピングでもまだ在庫ある。( https://t.co/MnvncTlqKH )
※ちょっと訳アリ、7万円で27型・4K 有機ELディスプレイを買ったhttps://t.co/0Ntj7haLMo pic.twitter.com/jnQpWnK8sG
— たび (@mesotabi) September 13, 2023
このツイートを見てしまったのが全ての始まりでして。
元々有機ELモニタ自体はXEL-1の頃からずっと欲しいと思っていました。有機ELはCRTに近い画質で黒のしまりが非常に良く、コントラストもいいのでスマホもずっと有機EL採用機種を積極的に導入しています。
4k 27インチくらいならそろそろ値段も熟れてきまして旧式モデルであれば10万円まで下がってきていました。
そんな中でずっと32インチ4kか24インチフルHDが出るのを待っていました。JOLED自体には期待していましたし、今後多品種展開をしていくのだろうと思っていたところに倒産のニュースが飛び込んできてAK Racingの例の有機ELモニタを買おうかとずっと思っていました。
そんな中、我々は「JOLEDのインテリア有機ELモニタが投げ売りされてる」との情報を入手。アマゾンの奥地へと向かった――。
という事で77,000円で投げ売りされていたモニタを買いました。
これは買いでは!?とは思うものの、流石にノンサポート品に8万払う勇気は無いのでパスするかな。JOLEDコケたの痛すぎる。
— SAKURA87🌸 (@Sakura87_net) September 13, 2023
一度は購入を見送ったのですが・・・。
例のアレ(JOLEDのモニタ)貯金2カ月分と考えたらどう考えても買うほか無いということで買ってしまった。
— SAKURA87🌸 (@Sakura87_net) September 14, 2023
半日悩んで「もうこの期を逃せば国産有機ELなんて二度と手に入れられないのでは?」との考えに至り購入することにしました。
2023年9月14日にアマゾンのマケプレで77,000円で購入。
記事執筆時数十台の在庫がありますが購入時は100台以上あったみたい。
訳アリな部分
この液晶はワケアリ品ですので以下の点が理解できる方のみ購入いただきたいところです。
- メーカー倒産品で保証なし
(販売店の返金保証がある) - スタンドは自前で用意する必要がある
- あくまでインテリアとして作られている
- 最近のモニタとしては額縁が広すぎる
- スリープモードがない
PC電源断などで表示が切れたら都度電源を入れる必要がある - 有機ELなので焼き付きが発生する可能性がある。
- その他については↑のアマゾンリンクを参照
ところで、元々20万円近いモニタが投げ売り状態、という事で買いましたが、流石に値段が値段なので冒険したくないのであれば、フィリップスの似たようなスペックの有機ELモニタが10万円ちょっとくらいなのでこれを買った方がいいかもです。
こっちなら5年保証もあるしオランダのパナソニックみたいな企業であるフィリップスが潰れることはほぼないだろうから万人におすすめ出来るのはこっちですね。っていうかこっち買えばよかったのでは。
写真レビュー
外箱、27インチなのでそれなりに大きいですがなかなかコンパクトです。
開封一発目。保護材は安めの製品によくあるビニル素材。
内容物は上から本体、その上にUSBメモリ
その下が左からACコネクタ延長ケーブル、ACケーブル3種類、ACアダプタ、AndroidTVドングル用USBケーブル、壁掛け用プレート
下段が冊子類、リモコン、AndroidTV端末といったところ。
結構色々入ってます。
モニタ正面。何やら最近流行のフォトフレームっぽい感じの額縁デザインになってます。うちの昭和な家ではかなり浮きますね。
裏面は至ってシンプル。
左側の蓋を開けるとHDMIとUSB-Cコネクタが見えます。
ここは本来AndroidTV端末用の場所ですが特に制限はされていないようでここも任意の機器を接続できます。
USBは側面のハブに出ているようでPCに繋げばUSBハブが機能するみたいです。
左側面にあるUSBポート。
左側のコネクタ、左からAndroidTV端末用のUSB-CコネクタとHDMI、任意の機器が繋げられるHDMI端子とDisplayPort端子。
右側はDC入力、ヘッドフォン端子、シリアル端子(用途不明)
ACアダプタは日本の産業機器でよく見るDELTA製。
今時はAC直入力が主流になりつつありますが、このモニタはACアダプタです。延長ケーブルも付いているので壁掛け時に太いACケーブルを出したくないからこういったスタイルになったのでしょう。
ヘッドフォン端子はいつものK701と変換プラグが刺さらなかったので今回は未検証です。スピーカーが付いてないのでこれから音声流す意味もないですしね。
100mmのVESAマウントなので汎用的なスタンドが使えます。
リモコンはこんな感じ。このリモコンがあるので自動電源オフ後の電源復帰しないなどの難点がある程度カバーできます。っていうか他のメーカーもこのサイズではリモコン付けてほしいんですよね。
OSD表示はこんなん。
国内メーカー製にしてはあまり凝って無く旧時代的な感じですね。
画質レビュー
まずは白一色を表示してドット抜け確認。目立つドット抜けもなく色の均一性も良いので非常に良い。
計測ミスしてる気もしなくない結果ですがセンサーで測った限りこんな感じでした。
有機ELはバックライトを持たず、自発光デバイスなので黒は本当に真っ黒。
最近は液晶も進化してバックライト漏れが非常に少なくなりましたが、それでもやはり黒は全く発光しない有機ELには敵いません。
解像度は4k(3,840×2,160)で27インチなのでちょっと小さいですね。以前27インチを導入したときは頑張って100%で使っていましたが、今はもうWindowsもスケーリングが上手くなってきたので150%拡大でWQHD相当で使っています。やっぱり27インチの最適解像度はWQHDですね。最近出てきた27インチWQHD有機ELとかもちょっと狙っていました。安いし。
写真ではちょっと飛んでいたり潰れている所もあるのですが、実際は非常になめらかなグラデーション表現でした。
ちなみにいつも使っているドット抜けチェッカーはこちらです。
という事でアニメを見てみました。
結果画質は非常に良く、色味も色域が広い(sRGB138%、Adobe RGB・DCI-P3が99%)にもかかわらず自然なコントラストで黒も自然に絞まって非常に良い感じです。
2000年代の高級CRTディスプレイみたいな非常にしっとりとして落ち着いている画質で非常にいい。やはり国産ディスプレイは良いな。
CRTはとっくに駆逐され、プラズマディスプレイも無くなった今、画質を求めるなら有機ELですね。
ただ、画質に関しては韓国系の蒸着式有機ELと比べて秀でた画質であるかといえばそこまでではない。今まで使ってきた有機ELスマホやガラケー、お婆ちゃんが店員にそそのかされて買った在庫処分のシャープの有機ELテレビと比べても突出した画質ではない。この辺りの画質評価は新方式の印刷方式だからというより一般的な有機ELの特徴といったところ。
じゃあ印刷方式だと何が違うのかといえば大型化、発光効率、柔軟性といった部分が大きく関わってくるので画質に関わる部分はあまり多くないんですよね。一般的なカラーフィルター式有機ELよりは色純度が高いんですがカラーフィルター式も最近はかなり改善してきてるんですよね。JOLEDがダメだった部分は結局の所コストほどの付加価値をアピールできなかったところと、本来なら蒸着方式や液晶も並行で生産して利益が生まれる部分を確保していくべきだっただろうけど、それが出来てなかった。というところが大きいのではと思います。
色域はほぼ仕様通りの数値が出ています。輝度を抑えめで測定したのでこんな感じになったのでしょう。
sRGBが97%なのに他の値も高いのはシステム側で何らかのリミッターが入ってsRGB測定時にsRGB相当に制限されたからではと思います。
色の正確性も非常に良い。
写真の現像もしてみましたがかなり良い感じです。
写真に写っているAQUOS Zero6の有機ELと比べてほぼ遜色ないくらいので画質です。
画質面で不満点があるとすれば光沢アクリルパネルが挟まっているので反射がある事と、そのアクリルパネルの劣化が気になるところであります。
あとシルバーの部分がマッハで傷つきました。
最後に
ということでわりと高めな衝動買いをしてしまいましたが、結果は本当によかったです。機会があれば予備機が欲しい所ですが、このモニタはモニタとして使うには結構難があるので、AK Racingの例のモニタが投げ売りされるのを待つか、フィリップスの有機ELを買ってみようかなぁと思っている次第です。
もう次からは液晶は買わずに有機ELを買うことになるんじゃないかなぁと思います。あとは画面焼けがどれくらいで出てくるかといったところですね。
液晶と比較して
最近は液晶もかなり進化していて、色純度や発色に関してはほぼ遜色ない位の性能があります。
しかしながら、有機EL特有の黒の絞まり、応答性能の早さに関してはまだまだ液晶では追いつけていないと思います。
疲労感に関してはやはり自発光デバイスでありますから、液晶に比べると若干ありますね。この記事を執筆している間に少し目が疲れてきました。
スマホで使っている有機ELもあまり焼き付きが起きなくなってきて、コストも徐々に下がっているのでお買い得な20インチ台フルHD有機ELモニタが出来たら一気に液晶は駆逐されるのではと思っています。
以上。
次回ですが10月に掃除機のレビューをしようと思います。それでは。