作成日時:2016年10月10日 21時42分22秒
更新日時:2017年05月01日 23時26分52秒
この記事は8年ほど前に投稿されました。内容が古くなっている可能性がありますので更新日時にご注意ください。
後編というか、もはやこっちが本編の様な気もしなくはない。
というわけで前編で触れた以下の条件に当てはまるものとして、今回はこのオシロスコープを購入しました。
- デジタルオシロスコープである
- メインがオーディオなのだがSPI(400kbps)もみたいので10MHz程度はほしい
- サンプリング速度はあまり気にせず
- 分解能はまぁ8bitあればいいでしょ
- 予算は3万円前後
- あまり大きくない奴
- 2chだけどできれば4chほしい。
DSO203の概要
- 72MS/sのサンプリング速度(2ch利用時)
- 計4chの入力
2chのアナログ入力
2chのデジタル入力 - 10Hz~1MHzの信号ジェネレータ
- 8bitの垂直分解能
- 20mV~10V/div
- リチウムポリマー充電池
- 2MBのストレージ領域
当方入手機は8MBの領域がありました。
これはどういうものなの?
DSO QuadおよびDSO203とは、オープンソースのデジタルストレージオシロスコープであり。
基本設計から仕様、ソフトウェアといった必要なすべての構成が公開されていて誰でも簡単にまねすることができるし専用ソフトウェアを作ることができるオシロスコープ。
メインCPUにARM系CPUを採用し、3インチ400×240の液晶が搭載された小型のポータブルオシロスコープである。
今回購入したのは本家のDSO Quadではなくコピー品のDSO203で、およそ8000円ほどの価格差がある。コピー品が2万円前後、正規品が27000円前後で売られているが、基本的にこういうものは正規だからどうという事はないし、正規でも初期不良以外のサポートがつかないのが基本なのでコピー品で問題ないと思われる。まぁちゃんとしたところで買えばね。
製品写真
パッケージはすごく簡素。
Amazonのマーケットプレイスの業者から買ったのだけど。この梱包は業者側が作ってるのかな?
内容物。アナログプローブ2本にUSBケーブル。本体とCDにはマニュアルとファームウェアが。そして変なリング(プローブ識別用)と専用ポーチ。あとはキャリブレーション用のふたを開けるためのレンチ。
このオシロを買う人がレンチを持ってないとは思えないのだけど…。レンチとポーチをつけるくらいならデジタルプローブでもつけて2万ちょいくらいにしてくれた方がいい気がする。
ちなみに付属品はマーケットプレイスの業者によって変わるみたいなので注意。
今回買ったのはこれ。
マケプレの内容によってはデジタルプローブが2個だったり、デジアナで1個ずつだったり。
USBケーブルがついてたりなかったりするようです。
ちなみに本家の製品だとプローブがデジアナそれぞれ2個ついていてUSBケーブルやポーチはないようですのでそのあたりは一考の余地があります。ただ、プローブに関してはあとで買えますのでそこまで気にする必要はないかと。
とはいえアナログ用プローブはあとで買うと3000円くらいしますのでこっちは2セットついていた方がいいかもです。
付属のプローブ。このプローブに関しては業者によってついているものが違うようですね。
コネクタはMCXコネクタ。よくワンセグチューナーとか無線LANのアンテナに使われてるアレです。
本体。真っ黒で何が何だかわからん。
ちなみにDSO Quadおよび互換機に関して、少し安いプラボディのものと、アルミボディのものがあるようですが、基本的に今流通しているのはアルミボディのものとなります。
操作系は上部時集約されています。写真左から操作レバー2個。
基本的には左のレバーで項目選択、右のレバーで数値変更と確定という動作になっているようです。
一番右がホールド・スタート、次が波形記録メニューでBMP、RAWデータ、CSVでの保存ができる模様。
●ボタンは現在の電圧などがモニタリングできるようです。
▲ボタンは上と右メニューの切り替えができるようです。
あとはサードパーティ製ソフトをインストールしている場合は各ボタンを押すことでソフトの切り替えができます。ネットにある主なソフトとして、オシロアプリとロジアナ、周波数特性の測定のできるソフトがあるようです。他にもいろいろあるようだけど。
左側面にはアナログ系のコネクタ類。
右側面にはデジタル系と電源にUSBコネクタ。こいつでデータ転送や充電ができます。
裏はこんな感じ。ここはメーカーによって違うのかな。
ふたを開けるとバッテリーとプローブ調整用の抵抗。個人的にはこの抵抗弄るためのマイナスドライバーの方がほしかったなぁ…。
ちなみに入手した個体はx10の調整が必要そうでしたがx10のプローブを使う必要がそもそもないので調整しませんでした。x1用の値は調整済みでしたのでそのまま使います。
バッテリーは1000mAのものがついていました。
起動画面
精度とか使い勝手とか
正直言うと、やっぱり専用機の使い勝手にはかないません。レスポンスも精度も。ちゃんとしたデジタルオシロを扱ったことがあるのですがさすがにアレと比べるとお話にならないレベルです。まぁ70万円のものと2万円のものを比べるのもおかしな話ですが。
一応ホビーユースで必要な帯域は確保しているようですし。
安いのでこれで不満なら次は5万円の機種あたりを攻めてみるのもよいでしょう。
ユーザーインターフェイスはこんな感じ。
基本的なオシロスコープで測れるものは大丈夫みたい。
アンプの出力波形を見てみた。
とりあえず何らかのCDを再生した波形。
総合評価
ホビーユース。それもオーディオ関係の測定を行うには十分な性能を持っていると思われ、実際に周波数応答性計測アプリを使用して周波数特性を測定してみました。アプリは以下のページのものです。
マイコン関係もあまり周波数が高くないものでしたら使えると思います(実はまだ使ってないので使ったら加筆しようと思います)ただまぁ、マイコンのデジタルIOなら、同じくらいの値段でもう少しまともなロジアナが買えるのでそっち買った方がいいでしょうな。
今回はどちらもとりあえず使えるようなものがほしかったためこれを買いました。
正直これ以上となるときちんとした定価20万円前後のオシロスコープの中古を探した方がいいかと。ただまぁ。とりあえず変な動きをしていないかどうかは確認できるようですのでしばらくこれ使ってみてやっぱりもう少しいいやつが必要だと思われる場合はいいオシロを買いますか。(といっても10万円以下のオシロしか買えないけど)
デジタルの使い勝手について(2017年5月1日追記)
以下のページのロジックアナライザを使ってみました。
アナライズした信号はこの前作った電光掲示板なのだけど、きちんと信号変化に追従していていい感じでした。A~Dchすべてをデジタル入力として使用できるので4chの解析ができてSPIとの相性はいいです。不満点を上げるならちょっといろいろと動作がおかしいところ。基本機能は問題ないけれど。もう6年更新が止まっているからなのか、互換ハードだからなのか…。
画像の保存はできるけれどこんな感じでちょっとおかしい。
まぁホビーユースで製作物の動作がおかしいときの検証には十分使える。っていうか役にたった。