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キヤノン EF 70-300mm F4-5.6 IS II USM 購入レビュー

この記事は6年ほど前に投稿されました。内容が古くなっている可能性がありますので更新日時にご注意ください。

以前雨の中撮影を行い、常時こそ問題ないものの。長時間の撮影になるとAF(AI SERVO)がうまく動作しなくなっていたタムロンの望遠レンズ(SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD)が先日のスーパー耐久撮影でも同様の症状が出たため、この際だからと新しい望遠レンズを買いました。8月10日購入で、ヨドバシカメラで52,750円でした。

購入動機

上述の通りですが。前のレンズを修理する事も考えていましたが。発生頻度が低く特殊条件でのみ発生すること。水滴が入った形跡はないものの、一応水に濡れていること。を考えると修理が出来ないか、出来ても高額になる可能性が高いため。

その他の理由としてはゴミも少し多く。そもそも購入から6年以上経過していることもあり、新型レンズがいくつか出てきた事。ということで修理はせずに新規買い換えということにしました。(古いレンズは常時は問題ないため一応予備として余生を過ごします)

機種選択

まずレンズを購入するにおいて以下のように条件を設定しました。

  1. 予算は6万円程度
    ただし例外としてLレンズは20万円まで
  2. Lレンズを除くレンズは比較的最発売されたもの
  3. タムロンのレンズと同等の性能以上
  4. 70-300mmをカバーするズームレンズであること
  5. F値は暗くなければOK
  6. 高速AFモーターを搭載していること

以上の条件から、まずは以下のレンズを候補としてあげました。

  • SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD(A030)
    前レンズの後継モデル 4万円以下
  • EF 70-300mm F4-5.6 IS II USM(当機)
    値段も手頃で画質が良いと評判のレンズ
  • EF 70-300mm F4-5.6L IS USM
    どうせならもう2ヶ月待ってLレンズ 12万円

価格を考えるとSPレンズなのですが。長く使用することを考えたらLレンズもあり。
しかしLレンズは前のレンズと同時期に発売された設計が古めのレンズであり。そろそろ新型が出るんじゃないかという事で二の足を踏みました。

こう言う条件で1週間悩み。結果的に間を取って当機を選択しました。価格もヨドバシカメラで52,750円とリーズナブルで、2016年発売と設計も新しいというのが決め手となりました。Lレンズについてはもし万一新型がでたときにショックが大きいのと。利用頻度の問題でLレンズを買うなら広角のレンズを買いたいところなので。今回は見送りました。

タムロンにしなかったのは、価格差があまりなく。使用期間を考えると微々たるもので、どうせなら純正レンズ。ということでタムロンは見送りました。

他にも400mmが撮れるレンズも考えましたが、通常は広角メインで、オートポリス等近場のサーキットでは200mmも要らない場合もある。300mmで足りないといえば航空祭くらいと、案外400mmを使う機会がないのでやめました。

外観写真

外箱。購入したのはレンズ本体と対応するレンズフードです。レンズフードが案外高く同店で3930円でした。

内容物はレンズ本体と保証書、取扱説明書。まぁレンズなので特に付属品はありません。説明書によれば詳細な説明書はダウンロードで対応してくれということでした。しかし、やはりレンズというものはインターネットやコンピュータが利用できない場所で使うこともあるだろうから、説明書くらいは紙のものが欲しかった気がします。

レンズ本体。大きさとしては850mlのコーラのペットボトルと同じくらい。

前のレンズと比べると一回りくらい細い感じです。手にしっかりなじんで案外持ちやすいです。

EOS 7Dに装着してみました。

ファインダーの方からみて左側に操作スイッチがまとめられていて、反対側にロックスイッチがアリマス。

MODEボタンは液晶の表示切り替え。その下にAF切り替えスイッチ。フルタイムMFなのでこのレンズの用途だとあまり必要でもない気がします。一番下が手ぶれ補正の切り替えスイッチ

上面にはなんと液晶が付いています。

別売りのレンズフード ET-74B

今回は付属していなかったので、専用のレンズフードを買いました。

レンズフードの効果としては画角外からの不要な光を取り除き、高画質化を目的とします。また、公式の説明にはないのですが、前玉の前にカバーができることになりますから。ある程度レンズを保護する役目も期待できます。

円筒状のレンズフードで多分保証外ですが、カメラを立てておくことも出来ますね。

自分の7Dで荷物を整理する位の時間なら立ちました。(ただし保証はしません。試す場合は自己責任でお願いします。)

高いレンズフードですが、一応高いなりにロック機構とか付いてます。正しく装着してロックがかかり、このボタンを押しながら回すと外れます。

液晶の表示

まずは撮影距離表示

レンズの撮影距離と被写界深度メモリが表示されています。

被写界深度目盛はこのF値ならこの距離まではピントが合うよって言う奴。らしいのですが正直付いているのが初めてなのでよく分りません。

焦点距離表示モード

特に言うことがないのですが。レンズの焦点距離が表示されます。これが液晶の良いところで、APS機であれば焦点距離が換算され表示されるのが良いですね。

揺れ量表示モード。

これぶっちゃけ撮影中は見えないのと、そこまで正確じゃないので、艦上とか戦車の上で使うときくらいしか役に立たないのでは。

MODEボタンを1秒程度長押しすると反転表示になります。炎天下などではこちらの方が見やすいですね。なお、2秒以上押し続けると液晶の表示をオフに出来ます。

作例(説明あり)

以降撮影はすべてEOS 7D、現像はLightroom Classic CC(2018) ほとんどが撮って出し。トリミングも無し、ほぼすべての写真がフルサイズ(L-RAW 1800万画素)

まずこれがワイド端。これでも70mm、換算112mmなので肉眼で見るよりは寄っています。

これがテレ端。

テレ端のおおよその位置。7Dなので換算480mmで、人間の目がおおよそ35mmくらいの焦点距離だとすると、テレ端はおおよそ14倍の大きさで写っていると言うことになります。

山口県萩市付近から撮影した航空機 テレ端

肉眼でもそれなりに大きく見えていたのでそこまで高度は高くなかった模様。

航空機切り出し。飛行機雲がきれいに解像しており、航空機のほうも日本国機であることと、カラーリングからANA機であると予測できる程度には解像していますね。

動物園などで作がある場合、柵と自分との距離が倍以上あればテレ側だとある程度柵が消せますね。

柵の種類によってはほぼ見えなくなります。

手ぶれ補正性能について

手ぶれ補正ですが、4段分の手ぶれ補正性能ということで、こちらは前のレンズや18-200mmとあまり変わらず。基本的に日中晴れている日に問題になるほどの手ぶれは起きなく、少し照度が落ちると問題が出てきますが、通常のイベントが午後6時くらいには終わるのでそれまでの間であれば問題ないでしょう。

動画では手ぶれ補正の効果がわかりやすいように大げさに揺らしていますが。ナウなヤングの腕力でブレまくるという事は無いです。

AF性能に関して

※写真は先日友人がカートレースに参加するということで、撮影を依頼された時にデモ走行を行っていたラリー車両です。ナチュラサーキットで2018年8月14日に行われた2018 TAKAZIN KART FESTAにて撮影しました。トクオワークスレーシング P.MU☆DL☆SPM☆INGING86 の車両でドライバーは2017年全日本ラリー選手権JN4クラスチャンピオンの曽根崇仁さんです。

オートフォーカス性能については流石純正USMといったところで、AFのブレも少なく、安定して撮影が可能でした。AFもスッと決まって撮影の成功率も非常に向上しました。そもそもカメラが今時KissにもAF性能で追い越されたEOS 7Dなので、実際の所AFの迷いは無いわけではないのですが。

画像のようなそもそもAFが得意とする被写体の場合は被写体追従も早くピンボケはほぼ見られませんでした。例えば観客の背後を通過したような場合はやはり若干もたつきますが。被写体を追従しているうちは問題ない感じです。少なくとも前のタムロンのレンズや、純正18-200といった非USMモーターのレンズよりは追従性が高い感じです。

一方で上の作例のような被写体や周囲が暗く、目の前に障害物があるようなAFが苦手とする作例はやはり迷いが大きく、この写真でもピントが若干甘い結果となりました。

とはいえこの辺はカメラの性能にもよるので、一概にレンズのせいというわけではないですが。

7DのコントラストAFは位相差検出型ではないため結構遅いので、上の動画の冒頭にあるEF-S 18-200mm F3.5-5.6 ISの処理時間を通常として各レンズ10秒時間を取りました。どのレンズも最初のレンズよりは高速ですが。やはりナノUSMが最も高速にピントがあいます。しかも迷いも少ない。次いでSTM≦タムロンUSDといったところですね。

なお、コントラストAFではない独立センサーでのAFについては、本当に高速で、STMレンズよりもそれなりに早く、タムロンのUSDに比べて段違いで早いです。AFボタンを押した瞬間に速さが実感できます。遅くても3秒程度、ほぼ1秒以内にピントが合っています。特に悪条件でのAF速度にだいぶ差が出ている印象です。(ただしこれはあくまで主観であって測ったわけではないです。)

オートフォーカスの動作音も非常に静かで、静かな部屋でないとほとんど聞こえないレベル。正直サーボ駆動だと本当にピントが合っているのか不安になるレベル。

この狸は動物園で撮影したものですが、前にガラスがあり。角度によってはガラスに写る景色にピントが合ってしまう場合がありました。これもどちらかと言えばカメラのせいだと思いますが。

C-PLフィルタなどを用いて全景の反射をなくすと結構良さそうに思います。

小さな被写体にも比較的早くピントが合い、迷いも少なかったです。

7Dは今時Kissでも45点オールクロスセンサーが搭載されている時代に19点しかないので小さすぎると結構迷いますね。迷った後の復帰も遅いのですが。復帰するときはちゃんと合うのも早いしAFミスした後、ミスした個体に対しての追従は正確なのでレンズは悪くないです。きっと。

レンズの描写について

レンズの描写に関しては、これまでの作例や、上の4枚を見ても解るように、条件がそろえばスッキリとほどよいシャープ感のある写真が撮れます。

作例(自由作例)

ここからは撮影した写真を適当に貼り付けます。

すべてフルサイズで現像してなるべく撮って出しで出力していますし、Exifも消していませんので写真下部の「🔍拡大表示」をクリックしてまじまじと見てください。

※その他ロケ地

平尾台
到津の森公園

自由作例2(2018年9月6日追加分)

所用で佐賀方面に外出中に、基山PA付近より撮影。

この辺はWEB公開用にリサイズしてます。それ以外はほぼ撮影時の設定。

このサイズならかなりシャープで良い写真になりますね。

等倍出力でもだいぶ良いですが。主な発表の場所がインターネットな場合は、価格と性能のバランスが非常に取れているレンズと言って良いでしょう。

総合評価・締めの挨拶

非常に良いレンズ。オートフォーカスも高速で迷いが少なく、描写も目を見張るほどではないにしても、自然にクリアな雰囲気を受ける。

もしかするとLレンズに行かずともこのレンズで満足できるシーンや被写体というのは結構多いのかもしれない。同等仕様のLレンズが更新されないのであれば、アマチュア用途ではLレンズとのアドバンテージは防塵防滴機構の有無程度になるだろう。(Lレンズ使ったこと無いけど)

少なくともキヤノンが謳い文句にしている「初めの1本」には十分すぎるレンズで、社外レンズとの価格差も2万円程度なので社外を検討していて、2万円の価格差くらいなら問題のない人は迷わずこちらで良いだろう。

どうしてもプラス2万円が捻出できないなら社外という選択肢もアリだろうが。個人的には価格差以上の価値はあると思う。

あとひとつ残念なのがレンズフードが別売ということ。この価格帯、実売4万円後半から5万円前半ならば。レンズフード代フルで乗せても6万円を切るので十分売れると思うのだが。どういう策略なのだろうか。

以上、長々と書いてきましたが。非常に良いレンズで初心者から上級者までお薦めできるレンズです。プロとなると状況によりけりでしょうし、信頼性でいえばLレンズに歩があるでしょう。

そういえば物撮りに関しては、タムロンのレンズは最新型も1.5mが最短撮影距離なので、それに比べると1.2mと30cmも短いのでかなり使い勝手が良いです。

それでは。

なお、次回に関しては今のところ特に予定はありません。というカレンズを買ったのでしばらく新規の購入はしないと思います。多分既存の没写真救済などで御茶を濁すと思います。

更新履歴

  1. 平成30年8月23日(木) 午前6時25分 タイトル修正
総閲覧数:213 PV

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