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電子ボリューム付きアンプを作る(1) TPA3122D2N 部品の準備

この記事は8年ほど前に投稿されました。内容が古くなっている可能性がありますので更新日時にご注意ください。

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Raspberry PiやArduinoを使っていると、やはり何か完成品を作りたくなりますね。

そこで今回はArduino Uno(に乗っているコントローラ)を使って電子ボリューム付きのアンプを作ってみたいと思います。

はじめに

Arduinoを作って、いい感じに制御方法も分かったのでこのコントローラを使って何かを作ろうと思いまして、その時に丁度メインで使っている鎌ベイアンプがくたびれて来たのでメインアンプを変えることにしました。既成品を買っても良かったのですが、せっかくなので作ってみようと思いました。(小並感)

本当は完成してから製作記事を書こうかなと思っていたのですが、ケース部分以外はほとんど完成しましたので公開することにしました。(完成したらまた記事を書こうと思います。)

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部品の選定

今回一番気にしたのはコストです。正直言って、一番音質にこだわっていた時期は過ぎ、今は可能な限りコンパクトにまとめたいという気のほうが強いく1万円を超えるものについては既成品や中古品を買ったほうがいいため音質よりも金額を優先し、内部のメイン部品だけで5000円、電源装置と端子周りで5000円の計1万円程度が予算でした。

パワーアンプの選定

音質を考慮するのであればA・B級やAB級のアンプを使用するべきですが、これらのアンプICは大抵高いし発熱も大きく小型化には向かないので、今回はD級アンプを採用します。また、今回制作するアンプの出力は10W程度あれば十分でして、当初はTDA2030あたりを購入予定でしたが、昔からたまに見ているサイトにこんな記事がありましたのでアンプICはこれ(TPA3122D2)にすることにしました。

アンプ部分の基本的な回路もこちらを参考にさせていただきました。(と言ってもこのサイトもほぼメーカーリファレンスの流用ですが。)

電子ボリュームの選定

次に電子ボリュームICですが、これは必要な部品点数も少なく、秋月で4個はいって500円程度で売っている新日本無線のNJW1159Dを使うことにしました。

この電子ボリュームは特に高音質型ではないですが。まぁ通常使う上では十分でしょう。
高音質型の電子ボリュームは1つ1000円や場合によっては5000円近いものもありますが。
そもそも使う予定のICがそんなにいいICではないのでとりあえずこれでいいと思います。

コントローラの周辺

コントローラはArduinoと同じATmega328Pを別途用意。
これでも意外と制御ピンはギリギリです。今回はAVRライタを買っていたのでAVRの開発環境で開発し動作クロックは内蔵クロックを使える8MHzにしていますが、Arduinoは16MHz駆動なのでArduinoの開発環境を使う場合は16MHz駆動できるようにセラロックを追加してやってください。

コントローラの電源はオーソドックスに7805レギュレータを使います。
電子ボリュームは負電源も必要になるのですが、こちらは負電源用レギュレーターや仮想グランドIC、電源ICを使うなど、いろいろな方法が考えられますが。今回はDC-DCコンバータを使うことにしました。
なお、電源に使っているレギュレータはココに出てくる写真ではヒートシンクが装着されていませんが。これは思ったより消費電力が大きく、ヒートシンクを買ってなかった事によるものですので、実際は結構熱を持ち、保護回路が発動して電源が落ちるため、ヒートシンクを買って取り付けてください。

余談ですが、純粋に音量調整とまぁポップ音回避だけをコントロールするのであればもっと小型のTinyシリーズで十分かと思われますが今回の目的はあくまでArduino Unoで作るということなので。

リレー駆動系

今回ポップ音回避のためのリレーと入力切り替え用リレーを使います。どちらも5V品でいいでしょう。音質を気にするのであればもう少し大きなリレーを使いたいところですが、ICが15W程度までなのと、今回は音質よりコストと省スペース性が優先されるためこちらを選択しました。

今回選択したリレーは941H-2C-5Dで、スイッチ側の定格は30V2Aで60W程度なので問題ないと思います。

リレーを駆動させるための回路は、2個程度なので3本足のトランジスタを使っても問題ないと思いますが、抵抗や逆起電力吸収用のダイオード等必要なので4回路入りのトランジスタアレイを使うことにしました。これなら逆起電力吸収用ダイオードもベースの電流制限抵抗も内蔵されているので接続が楽です。

操作系

音量の入力にはロータリーエンコーダを使用し、出力切り替えはトグルスイッチを使用し、切か入かでIOを読んでリレーを駆動させるようにします。(こうすればディスプレイに現在の入力端子が表示できる。)

ディスプレイ部分には8×2行のキャラクタ液晶モジュールを使用します。
音量と入力切替を表示するだけなのでキャラクタ液晶を使いフォントを用意したりする手間を省きます。
もっと省略して7セグLEDなどを使ってもいいでしょうけど。

ただし意外と8×2は手狭で、基盤のサイズを考えると16×2を使うことは十分可能なので、完成時は16×2に変更するかもしれません。

周辺部品

今回基板はサンハヤトのICB-293Gを2つ使います。
基板を分けるのは制御系とオーディオ系を分けるという目的もありますが、交換が発生した場合に片方のみ作りなおせばいいというところ。

コンデンサ系については今回は24Vでの動作を視野にいれるために50V耐圧品を使いました。
本当なら35V品や電源を19Vにすれば25V品でもいいと思いますが。35V品がすべて入手することが出来なかったので50V品に統一しました。

メーカーもケミコンはニチコンで、セラミックコンデンサは村田に統一しました。

グレードについてはアンプが低ESRグレードを要求するので低ESR品を、オーディオ信号が通る場所はオーディオグレードを採用しました。

耐圧やグレードについてはもう少し考えて動作電圧に合わせて決めてもいいのですが。個人的にはサイズ等ある程度統一したいのですべて50V耐圧で作りました。
ただし試作中は19VのACアダプタで動作確認をしたのですが、これでも結構な音量が取れるので25V耐圧品・19V電源で十分だと思います。

抵抗は金属皮膜抵抗を使ったほうがいいでしょう。ワット数はコンデンサ充電用の抵抗は1/4Wでは少々厳しいと思われるので1Wを採用しておきましょう。他は1/4Wで十分だと思われますが、心配なら1/2Wを。存在感を出したいなら1Wでいいでしょう。大きいぶんには特に制限はありません。(私の制作したの画像ではワット数の概念を失念していたためにすべて1/4Wで作っていますが1W以上を使ってください。)

制御部の抵抗は1/4W以下でも十分ですがそこまで小さくする必要もないです。また、制御部側は基本的にプルアップ・ダウン用の抵抗であってAVRに該当機構が内蔵されているので正直無くてもいいので適当なカーボン抵抗で十分でしょう。抵抗値も10kΩ前後あれば問題ないので余ってる抵抗があればそれを使っても構いません。例えば金属皮膜抵抗の4.7kオームが10個セットで売っていて安いとか言う場合はこちらも金属皮膜抵抗で問題無いでしょう。

基板同士および各単体部品への接続にはピンヘッダ・ピンソケットを使いました。秋月で40P1列あるものを2つ買えば十分足ります。「んんwオーディオ機器にピンヘッダなんて!」という人は好きにしてください。

長くなったので分けます。

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